2017年2月13日月曜日

自動組版の会社が増えた? page2017

毎年恒例のpage2017、2/8〜10の会期を終了しました。



今年は、デモ専属スタッフ含めて、のべ7人参加

自分達の製品や日々の制作でやっていることで「これ面白い!これスゴイ!」という伝えたい気持ちがあるなら、それを存分に伝えてきてね、それがニューキャストの真髄だから、というアドバイスだけして、上手く出来るかしらと心配しておりましたが、それぞれの力を発揮してくれました。

出展の意味

展示会で「自動組版」を掲げて10年以上たちました。その中で、来てもらった人と会話をして、多くの事を学ばさせてもらいました。
展示会は、今後どの方向へ行くべきなのかを考える恰好の場であり、制作会社のような表舞台に立つことの少ない企業やそのスタッフにとっては、自分達のやっていることの意味を考え、その価値を確かめ、次を考えることができる良い機会だと感じています。

自動組版の出展が増えた?

さて、今回のpage2017で感じたことは、例年よりも「自動組版」というキーワードが聞こえてきたことです。

「自動組版」という言葉は随分昔からあり、色んな企業がパッケージシステムやソリューションを展開してきましたが、それ程目立った成果を上げられなかったことや、印刷不況の時代も重なって、積極的に展開する企業が年々減ってきていました。
当時はどちらかというと、「IT化」によって闇雲に自動組版が語られることが多く、本質を知る企業はごく僅かだったという印象です。

最近は事情が変わってきており、相談内容の背景には、労働人口の低下や働き方の変化によるものだと思いますが、「人がいない」「人がいなくなる」もしくは「人を減らしたい」という結構ストレートで切羽詰まった悩みが透けて見える企業が増えてきていると思います。

例年と違った印象を持ったのはこういった理由からだと思います。

自動組版ができる会社とできない会社の差が出てきている

といっても、自動組版のツールを手に入れたらその願いが叶うかというとそれは大きな間違いです。そこには、お金を出して買えるものと、買えないものがあります。
それを使って成果を出せるかどうかは、それを使う人や企業の取り組み方に委ねられます。

会場でみた自動組版のツールは、どれも秀逸で、感動すら感じたわけですが、これを使って成果を出してくれる企業はいったいどのくらいいるのだろうと考えると、ちょっと寂しくなります。

一昔前、こういったシステムやツールの導入を設計するコーディネーター的な人も結構いた気がしますが、導入時だけとか一時的な存在ではやりきれるはずがないし、足が長くなると割に合わないので、最近ではあまり聞かなくなりました。

自動組版が浸透しなかった理由を考える

そもそも効率化というのを編集や制作部門に押しつけている企業が多いと思います。
それが営業的にも経営的にも大きく影響を与えるものであるということ理解せず、「技術的なことは分からんから」「今まで通りのものが出来ればいい」という会社は今後どんどん遅れをとるでしょう。

自動組版のような効率化は、会社の収支に関わる事なので、制作以外の部門の人もしっかりと足を踏み入れる必要があります。
制作が「今までこうだったのをこうしたら出来そうなのに」という場面に、営業がうまいこと掛け合って実現するとか、営業的にみて「その拘りいらない」と思ったら制作に言うとか、そういうタッグが必要だと思いますし、仕組みの構築やそのメンテナンスをする社員の登用や、開発投資と売上のバランス調整などは、制作部門の人には権限がないので、経営側からの理解とサポートがなければ成功するはずがありません。

昔からある自動組版が印刷業界で何故浸透しないのかという問題点はここにあると思っています。

なんか世間に愚痴ってるみたいになってしまいましたが、「自動組版」がまた脚光を浴びつつあるとするならば、間違った方向や勘違いをされないように見守りたいと思います。